改暦とバイカレンダー

Calender
05 /21 2018
最近、「エセ伝統」が問題沙汰されていますし、明治政府の歴史的評価が問われています。
3月3日のひな祭り、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕も、明治に生まれた立派な「エセ伝統」です。
そこで、「改暦」とは何か、「暦の併用とは何か」という問題を紐解いてみましょう。

我々が使っている世界共通の暦は、グレゴリオ暦で、その制定は紀元前1世紀にユリウス・カエサルが1年を365日とした太陽暦である。
しかし、この暦も1600年も使い続けているうちに、季節が10日程ずれてきてしまった。(春分を3月21日と決めていた)
その為に、1582年、グレゴリウス13世の元で、そのずれを修正した改暦がグレゴリオ暦である。
カレンダーをソフトウェアに例えると、アップデートである。
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日本で明治以前に使われた旧暦は、中国で作られた暦を602年に百済から伝授した物である。
朝廷の公式カレンダーとして5回のアップデートがありました。
所が、862年に採用された宣明暦は、832年間もアップデートされずに放置されました。
朝廷の力が弱まると、各地でばらばらのバージョンが使われ、月齢や閏月の入れ方に狂いが生じていました。
例えば、本能寺の変が起きたのは6月2日でしたが、新月で日食がありました。
そこで、渋川春海が1685年にアップデートしました。

それに対して、明治の改暦はアップデートではない。
それまでの旧暦を「廃止」して、一年の始まりも基準も全く違うグレゴリオ暦に上書きしたものだ。
その為に、例えば、七草粥をグレゴリオ暦の1月7日に合わせて温室で無理矢理育てた春の七草をスーパーに出荷するという、理に叶わぬ慣習を生んでしまったのだ。
本当の七草粥は立春過ぎてからである。
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暦をグローバルな視点で考えると、「バイカレンダー」即ち暦の併用である。
例えば、中国や韓国では、公式にはグレゴリオ暦、年中行事は旧暦という使い分けをしている。
アラブ諸国では、純太陰暦のイスラム暦(ヒジュラ暦)では季節を感じる事が出来ないので、グレゴリオ暦を併用している。
つまり、複数のソフトウェアを併用するのが当たり前である。
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日本も旧暦を「昔の暦」ではなく「自然の摂理に合致したエコな暦」として 本当の季節感を味わう、そんな社会になって欲しいです。

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暦に対するこだわり

Calender
05 /16 2016
私が暦について意識するようになったのは、エンヤの不確かな生年月日の情報が異暦の表記ではないかと疑ったことがきっかけでした。
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そこで、彼女の育ったケルトの暦について調べてみました。
ケルト人は季節の変化を重視しており、春分、夏至、秋分、冬至の中間の時期に、インボルグ、ベルティネ、ルナサ、サウィンという季節の節目の祭を行っている。
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ケルトの季節(マジカルアイテムショップより)

また、太陰太陽暦もあり、前半の6か月が冬、後半の6か月が夏で、2年半ごとに春分か秋分が入る月が閏月になっている。
そして、各月には自然現象に因んだ名前がついている。
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これらは、日本の旧暦と共通点がある。
季節の節目の祭は立春、立夏、立秋、立冬に当たる。
太陰太陽暦の月の名は旧暦の月の名とも通じる所がある。
例えばグレゴリオ暦の12月ごろに当たる3番目の月"Riuros"は「霜が降りる時」という意味だから、「霜月」と同じ時で同じ意味である。

そんな所から、旧暦を意識しながら、自然と触れ合って生活してみようと考えました。
日本の旧暦はグレゴリオ暦の2月の立春の頃から始まる太陰太陽暦で、、1-3月が春、4-6月が夏、7-9月が秋、10-12月が冬である。
各月には二十四節気のどの中気が入るかが決め手である。(表)
中気の入らない月が閏月となる。
立春、立夏、立秋、立冬は、季節の節目の標準日である。
例えばゴールデンウィークが旧暦で3月になる年はまだ春なので、少し肌寒いが、4月になる年はもう夏なので、汗ばむことがある。
閏3月が入る年は春が長く、閏8月が入る年は秋が長い。

ケルトも日本も農耕民族だから、自然と一体なので、暦のタイプも似てくるのだろう。
二十四節気旧暦グレゴリオ暦
立春1月節気2/4
雨水1月中気2/19
啓蟄2月節気3/5
春分2月中気3/20
清明3月節気4/4
穀雨3月中気4/27
立夏4月節気5/5
小満4月中気5/20
芒種5月節気6/5
夏至5月中気6/21
小暑6月節気7/7
大暑6月中気7/22
立秋7月節気8/7
処暑7月中気8/23
白露8月節気9/7
秋分8月中気9/22
寒露9月節気10/8
霜降9月中気10/23
立冬10月節気11/7
小雪10月中気11/23
大雪11月節気12/7
冬至11月中気12/21
小寒12月節気1/6
大寒12月中気1/21

旧暦をもっと見直そう

Calender
03 /08 2016
世界には、グレゴリオ暦の他にその土地の風土に合った様々な地域暦がある。
太陰太陽暦のユダヤ暦や純太陰暦のイスラム暦など基準になるものは様々だ。
ハロウィンはケルト暦の正月に由来するし、春節祭は旧暦の正月である。
一年の始まりの時期も暦によって違う。

そんな中で、日本の暦に対する考え方がいささか気になる。
「師走」を始め、「弥生」「皐月」「水無月」「長月」などの月の呼称、
桃の節句(ひな祭り)や端午の節句(鯉のぼり)や七夕といった年中行事、
ましてや義士祭など旧暦時代の歴史的記念日までが今の暦に当てはめられているところだ。

月の呼称は、旧暦の自然現象に因んだ言葉である。
「弥生」は「いやおい」が詰まった言葉で、「いよいよ生い茂る」という意味、
「皐月」は「さみだれの月」(「さみだれ」の語源は「聖なる水垂れ」)すなわち梅雨の月という意味、
「水無月」は「梅雨が明けて雨が降らなくなった月」という意味、
「長月」は「夜長の月」という意味です。
最も使われ方の悪い「師走」の本当の意味は「四季が果てる」という寒中の自然現象。
年末の慌ただしさで先生や坊さんが走る意味ではありません。(今は年末が慌しい時代ではなくなっています。)


年中行事は自然の恵みに感謝した祭です。

 ひな人形は桃の花と一緒に飾るものです。
グレゴリオ暦の3月3日では桃はまだつぼみもついていません。
温室で無理やり咲かせた花ではおひな様が悲しみます。
本当の桃は桜と同じ頃に咲きます。

 鯉のぼりは魚です。魚は水の中で泳ぐものです。
梅雨の雨を川に見立てて泳ぐ鯉こそ本当の元気な鯉です。
グレゴリオ暦の5月の晴れた空に無理やり泳がせたら死んでしまいます。
菖蒲(「勝負」に引っ掛けた)も紫陽花と同じ頃に咲きます。

 グレゴリオ暦の7月7日の梅雨末期の大雨に「天の川が見えるといいね」という挨拶をするのは、自然の恵みに逆らった行為です。
この時は短冊に願いを書くのではなく、雨が思いっきり降ってくれることに感謝しましょう。
本当に天の川がよく見えるのは伝統的七夕です。織姫と彦星が空高く輝いています。
7日の月は天の川を渡る舟です。


日本人は農耕民族で、古来、自然と向き合って生活してきました。
旧暦もこうして生まれた自然暦です。


暦の違いは明確に割り切るのが常識です。
同じ文化圏でも、中国や韓国では節句は全て旧暦で行われます。新暦イベントなんか存在しません。
違いを割り切らない日本がそもそも非常識です。


だから、中途半端な月の和名表記の付いたカレンダーは、誤った使い方を広めるばかりで、
本来の時と意味が忘れ去られるために、根絶して欲しい。
そして、新暦イベントばかり派手にやって、旧暦イベントをないがしろにする報道を聞くと、
「何て自然に対して心無い、かわいそうな事をしているのか」と涙ぐましい。

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yokoWildChild

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